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永峰潤ブログ
永峰・三島会計事務所、かなり不定期な所長のブログ。

英語ができる会計士育成の必要

第3回
英語ができる会計士育成の必要
 IFRSに対して、仮に日本の企業が「うちは関係ない」と言ったとしましょう。また「うちは上場しなくてもいい」という企業もあるでしょう。しかしその企業に銀行からの借入れがあったとしたら…。銀行は上場企業ですから、そこから資金供給を受けている企業も間接的にIFRSに律されることになるかもしれません。また日本の証券市場に参加している外国人投資家は約3割と言われていますから、市場は自然とIFRSの影響を受けることになるでしょうし、避けられない流れだと思います。
 
では日本としてはどう対応していけばいいのでしょうか。現在は山田辰巳さんがメンバーですが、英語がきちんとできる会計士を更に育てて、IASBに派遣するというのも、ひとつの手段でしょう。つまりルールを作る側に日本から人材を送り込み、日本の国益にかなうように対応するのです。ただ、日本人会計士は今までそうやって世界と対峙することを避けてきました。なぜなら日本語というバリアと世界第2位と言う経済市場のおかげで、「外に出て戦わずしても成り立つ」ことが出来たからです。しかし今、その構図は大きく変ろうとしています。

 これからの公認会計士に求められる資質、それは紛れもなく「インターナショナル」です。当然、英語力は必須です。 IFRSの原文は、もちろん英語で書かれています。英語で書かれた原文と、ASBJで作る日本語版には2年のタイムラグがあります。また日本語に置き換えることで、原文のニュアンスが必ずしも反映され難い箇所もあります。IFRSはどんどん新しくなります。最新の基準を理解するためにも、原文を読めないとそのスピードに追いついていけないでしょう。つまり英語を読めないと、正しいIFRSを理解することは出来ないと言えるのです。

 「会計の基準が変わる」こと。それはすなわち「経済の仕組みが変わる」ことを意味します。そのことを会計士は強く意識しなくてはいけません。英語力はもちろん、今後、きちんとファイナンス等も勉強しなければ、IFRSに対応していくことは出来なくなるかもしれません。

 とにかく若い会計士の方には、すぐにでも英語力を磨いて欲しいと思います。「自分は外資系企業を相手にしないから、英語力はそれほど必要ない」とのんびり構えている暇はありません。国内市場を相手に仕事をしていく上でも、英語でIFRSのルールを理解しなければ、今後の仕事に大きな支障をきたすでしょうし、活躍の場は狭まっていく一方です。ぜひ一人でも多くの会計士の方がインターナショナルな力を身につけて、新たな会計基準、新たな会計の世界に立ち向かっていって欲しいと願っています。

終わり)
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【2009/08/18 15:14】 未分類 | トラックバック(0) |

企業価値を表すキャッシュを具現化する

第2回

企業価値を表すキャッシュを具現化する
 IFRSで具現化しようとしているものは何かを、実例でいいますと、ファイナンスの観点から見た場合、企業の価値というものは将来の価値、キャッシュの塊であり、これをいかに表すかが一番重要とされています。すると、損益の捉え方も期間損益でなく包括利益になってきます。

 包括利益とは要するに企業を時価で評価しようというものです。持っているものすべてを時価で評価し、その企業の価値を現すものとして会計を使う。その手段が「時価会計」です。なぜ時価会計かというと、時価で評価することにより、その企業の価値をより明確にあらわすことができるからです。これにより財務諸表の書き方は、がらりと変わりました。今まではBSとPLがあってCF(キャッシュフロー)があった。けれど、IFRSはまったく違う概念で、CFが一番上にあり、その下にPLとBSがぶらさがっているのです。
 その理由はどこにあるのか? それは投資家が一番必要とする情報がキャッシュだからです。キャッシュの塊を知りたいから、それがどう動いているかを表すCFが一番重要であり、営業CF、投資CF、財務CFという区分けでIFRSが今後予定しているBSとPLが作られているのです。

 つまり、知りたいのは損益ではなく、あくまでも企業価値を表す
キャッシュ、CFという観点でIFRSは成り立っている、少なくとも、そういう方向性を打ち出しています。

各国の法律を超えた解釈
 次にIFRSの導入により日本にどういう影響が起こるかをお話しすることにします。私自身、これはすごく大きな影響があると思っています。

 現行では、各国の会計は国により異なっています。日本では法人税法22条を見てもわかるように、その国の民法や会社法あるいは教養、文化、歴史というものを反映した慣習、法律、経済規範があって、その結果として出来上がったのが現在の会計原則なのです。

 ところがIFRSはその会計原則にはふれません。例えばひとつの事象を捉えて、日本の会計原則では売上が立ったとします。ところがIFRSの解釈では、日本の会計では売上だが、IFRSでは売上ではないと言えてしまうのです。

 この「解釈権がIFRS側にある」ということが怖いところです。例えば、疑わしくても法律に明文化されていないと罰せられない、所謂、罰刑法定主義は刑法の根本原則であり、この予測可能性があるから人々の生活が担保されるのですが、IFRSの基本にある実質主義を進めていくと、解釈権を持っている人が勝ちとなる。「我々はこう考える」というスタンスで会計原則をコントロール出来ることになりかねないのです。

 これは少しうがった考え方なのですが、いわゆるプリンシプルベースとルールベースの違いがIFRSの特徴といわれています。今までの米国型の会計基準はルールベースで、こと細かに基準が書かれていたわけです。それがIFRSでは書かれていない。それがプリンシプルベースであり、イギリスの考え方だと説明されています。つまり、「その会計に携わっている人が解釈し、行ってください」ということなのです。「自由にしていいですよ」、と。「自由にしていい」ということは、一見すごく自由に思えるのですが、実はとても不自由です。解釈の仕方で、正反対のものが出来上がってしまう可能性だってあるわけです。

 では、誰が『解釈の基準』を持っているのか? そう問われれば、答はワールドワイドで活動している大規模な組織、ということになってしまうかも知れません。

 というのも、いまは世界の監査基準も統一化されつつあります。すると世界的に同質なサービスができるところでないと、もう世界中のコングロマリットを相手に監査ができなくなってしまいます。なぜなら各国の監査基準を統一化していないと、これから世界的基準の監査はできないし、かつ監査基準にその解釈の基準さえも要求するとなると、ある程度のスケールがないとできないと思うからです。こう考えると、それを行うのに有利なのは大規模な組織、たとえば“ビッグ4”ということになるでしょう。
続く
【2009/08/04 10:37】 未分類 | トラックバック(0) |

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