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永峰潤ブログ
永峰・三島会計事務所、かなり不定期な所長のブログ。

米国大学への留学生減少雑感

混迷の度合を深めている政治の世界ですが、今回は最近目にした日本人の米国大学への留学者数減少について取り上げたいと思います。

先だって、ある英文記事で日本人の内向き志向が更に強まったとして、日本人の米国大学・大学院への留学生が10年前と比べると激減したこと、それに比較して中国、インド、韓国からの留学生数が増加傾向を維持していることが載っていました。

確かに日本人が留学しなくなったことは、周りを見ても一時ほどの留学熱がなくなってきたなというのは実感としてあります。

このことは、歴史的にみても海外との交流が文化・経済・政治諸々の分野に於ける我が国の発展の源泉であることからも、記事が言うように憂慮すべき事柄だと思いました。昨年のブログでも書きましたが、現在、EUの人々の英語リテラシー(読み書き)能力というか、英会話力の向上は目を見張るものがあり、その点からも、米国大学等への留学者数が減っていることは、記事の執筆者が言うように、我が国の今後の発展にとって大きなハンディになるであろうというのも一つの真実だと思いました。

が、私的には、本当にそうだろうかという考えも同時に浮かんできました。
いくつかのポイントがあります。

アメリカの大学に行くことが、今までのように、すべての知の集積場とは必ずしも言えないのではないか。ましてや、英語を勉強するためだけならわざわざ大学に行かなくてもいいのでは、ということです。 記事の執筆者はアメリカ人でしたが、彼の頭の中には、おそらくアメリカは全ての分野においてトップであり、またこれからもそうあり続けるに違いない、そういうアメリカに来ない日本人は早晩落ちぶれるであろうという強い思いこみがあるのでしょう。 このこととは直接関係がありませんが、現在のアメリカの空港での身体検査場の、あの混雑、煩わしさ、汚らしさを経験すると、もう、お手本とすべき往年のアメリカではなく、まるでアジアのどこかの、オーガナイズされていない空港そっくりと思われるのです。 今、アメリカに行くことが、本当に知を得られることに結びつくのか、そういう疑問を呈する日本人も多くなってきたのではないでしょうか。 その点、まだ発展途上段階にある中国やインドがめざすアメリカ留学至上主義と同列に論じてみてもしょうがない気がしました。 更に言えば、中国やインドでアメリカの学位をとると、確実に卒業後の就職に優位に働く事実がある(これは韓国もそうでしょう)。それに対して、残念ながら、我が国の場合は未だに日本以外の国の大学の卒業生と日本の大学の卒業生が同列には扱われないという点もあるのだと思います。

現にヨーロッパの若者の米国留学傾向はどうなのでしょうか? 調べたことはありませんが、以前からそんなに変わっていないと思います。 英会話ということで言えば、EUをみると当たり前ですが、全員が米国に留学しているわけはありません。 結局、日常的な場面で英語を話すという必要性の問題に帰着するのではとも思えます。

裏を返せば、(事の善悪は別として)我が国は、一般の人が日常の場面で英語を話す必要がない(先進国中)唯一の国になりつつあるようです。これは米国の大学に行くことではなく、教育の問題として日本国内で早急に解決すべきテーマなのでしょう(今までもそうでしたが)。

後は、やはり何と言っても、バブル期の米国への留学は直接的にアメリカ経済を学ぶことと結びついて、盛んに企業派遣留学が行われてきました。 経済の鎮静化とともに、そういう流れがなくなり、いまは、本当に自分がやりたい学問を目指す人が(米国を含めて)、世界の大学から選別するという、本来の留学の流れに落ち着いて来つつあるのではないでしょうか。 もっとも、これはデータがないので憶測の域なのですが。

いずれにしても、私の感想は、これからも日本人が外界との刺激を通じて、自分たちのアイディンティを深めるという、他力本願的なアプローチには大きな変化なないであろうが、経済的には、ある意味、アメリカというお手本を失いつつある現在において、今後、どういう方向を探るかを模索している、そういうことが、現象面としてアメリカの大学への留学生数減少に表れたのでは、と感じました。
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【2010/02/15 14:48】 未分類 | トラックバック(0) |

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