FC2ブログ
永峰潤ブログ
永峰・三島会計事務所、かなり不定期な所長のブログ。

テスラモーターのこと(その2)

前回のあらすじ)
テスラモーターの本社を訪問した際に、およそ1000人も働いていようかというオフイス空間全てが、今までの米国伝統とも言える壁のような高さのパーティションから、せいぜい座った時に、互いの視線を妨げない程度の高さになっていたことから、私が思いを馳せたこととは、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本の上場企業に活力がなくなったこと、および、マスコミが大本営発表の、本来マスコミが果たすべき調査、分析、社会への提言、そういう自分達のDNAを放棄してしまったことと、それが福島原発事故で象徴的に世間にばれてしまったこと、これ、すべてテスラモーターのパーティションに象徴されていると思ったのです。


今年の東京の夏は暑かった、ほんとに灼熱地獄だった。 で、少しズルしました。

夏の間、約1.5ヶ月、車で出勤しました。これは楽だった。ほんとに極楽だった。
でもいいことには必ずその報いがセットされているように思います。
この場合の報いとは、だんだん意識が世間とずれてくるのを感じてきたわけです。
およそ1カ月もそんな生活が続くと、自分のリアルな現実は、往復の車内と、会社の執務空間、そして家、この
3つで自分の考えが形成されてくるわけです。 
特に今年の夏は暑かったせいもあり、あまりお客様の処も訪問しなかったので、余計に、この有限の空間が自己意識形成の場です。

そうすると、やはり情報はインターネット、新聞、TVに頼るようになり、すべての事象は自分の目で見たものでなく、一度マスコミのフィルターを通したものになってしまいます。

勿論、電車通勤とて事態は基本的に同じなのですが、やはり、電車で他人と顔つき合わせながら会社に行く道すがら、あるいは途中下車駅で垣間見る風景、そのような行為を通じて世間と繋がっているように感じられるのです。

これが上場企業の役員の場合には、さらに進んで、閉ざされた空間感覚が定着化し、自分の現実には、福島原発の事故や何かも自分に関係なく、(勿論、自分の関係する工場が被災していればそれなりに関係ありますが、それとて、車で現地に行って、すぐ帰ってくるという、自分に都合のいいように現実を切り取った行為だったとしたら、やはりリアルな現実は把握できなくなるのでは)、全ては送り迎えの運転手つきの車と、会社での個室。
そして情報はすべて新聞やTVのみ。
このような中で暮らしているのが、上場企業の役付取締役の一般的なイメージではないでしょうか。

こんな生活を続けていると、おそらく、どんな聖人君子でも、思考能力や感動・共感する力に著しい退行現象がでてくると思います。 
この人たちが把握している現実は、実は世間が把握している現実とは、大きな、大きな隔たりがいるはずです。

そして、そのような事情を導いた責任の一端がある、TVや新聞等の大マスコミ。
今回、オリンパスの騒動を最初に報じたのは「ファクタ」という雑誌ですが、これに対して日本経済新聞や朝日新聞は全く反応していません。
事実を報じたのはFTであり、それを訳すだけ、自分達で取材すらろくにしていると思えない、全くマスコミの存在意義がなくなってしまっています。
この人たちも世間より恵まれた給与をもらい、やはり取締役ともなれば、自分で取材情報を編集したりすることも
なくなるのでしょうから、自ずからマスコミの使命を忘れて行くことも自然なことのように思います。

そう、取締役の個室には、我が国の抱えている現実は存在せず、静謐な空気が流れているだけなのです。
こういうリーダーばかりになってしまった我が国が、自発的に現状打破を見出せるとは到底思えない次第なのです。

スポンサーサイト



【2011/11/18 12:36】 未分類 | トラックバック(0) |

テスラモーターのこと

10日間ほど、所属する会計士団体PRAXITYの国際会議とクライアント挨拶をかねてドイツ、アメリカと回ってきました。 今回は2大陸を一度に回ったので、時差感覚がおかしくなり、この原稿を書いているのは午前4時です。

アメリカの訪問地はサンフランシスコの南へ、車で一時間くらいの処に隣接する、いわゆるシリコンバレーと呼ばれる一帯の中核的な街のひとつであるパロ・アルト(スタンフォード大学で有名)にある、テスラモーターズのコントローラーに会ってきました。
テスラモーターズは最近トヨタとの関係強化でも知られるEV(電気自動車)の会社です。
当事務所はご縁があって日本法人設立時から経理のお手伝いをしています。

本社には経理、法務や人事等のバックオフィスが集約されていて、工場は湾を隔てた場所に、トヨタから購入したNUMIの工場を使っているとのことでした。

大変に印象に残ったのは事務スペースのレイアウトでした。 いままで米国のバックオフィスや弁護士・会計士などのオフィスを訪問した際の、我が国に見られない米国特有の特徴として、スタッフレベルの机を一人一人高い壁(=パーテション)で囲い(CUBICLEといいます)、隣の人との会話すら電話でするというような、マンガチックな風景が見られたことがあります。

これがテスラモーターズの場合、パーティションの高さが、せいぜいお互いが座った姿勢で前を見たときに視線が気にならない程度迄になっていました。その景色がワンフロワ―でおよそ1000名以上もいようかという空間一杯に拡がっていたので、ある種、壮観でした。

日本では通常のオフィス風景(パーティションあるところは少ないかもしれませんが)が、やっと米国でも導入する風土になってきたのだなぁと思った次第です。

このようにパーティションを低くした理由は明快で、やはり机を囲ってしまうと、個々のプライバシーは保たれるかもしれないけど、コミュニケーション不足に陥ることの弊害が大きいのでとのことでした。

このことから二つのことに思い当たりました。

第2次世界大戦後の日本では米国の個人主義がやみくもに輸入された結果、団地などで文化住宅という名前のもとに、子供たちに個室を与え、ちゃぶ台などをおいた家族の団らんスペースが削られる風潮が一時はやった時期があります。 このことと今の日本の全体的退潮とに相当因果関係があると言うのはためらいがありますが、結果的には、現代の住宅はまたまた家族団らんスペースの復権が急速にはらかれる、つまり文化的には日本の伝統的な慣習に回帰しているようでもあります。

いま、プライバシー保護の雨嵐ですが、これなども、おそらく西洋思想を文化的な差異を捨象してやみくもに輸入している産物の気がします。

次に、翻って、日本の上場企業の役員文化に思いをはせました。
これは次回に・・・・・・


【2011/11/04 10:50】 未分類 | トラックバック(0) |

ENTRIES

  • イギリス行(11/05)
  • 中央高速一考(10/16)
  • 日本を代表する民族音楽は何か(05/31)
  • 海外分散投資と国際課税(05/20)
  • 日本全国一斉毎日実施イベントを君は知っているか(04/30)
  • TRACKBACKS

  • 東洋医学がたくさん:「経絡リンパマッサージ」からだリセットBO(10/31)
  • 設備を調べる:安全弁について(05/23)
  • ARCHIVES

  • 2013年11月 (1)
  • 2013年10月 (1)
  • 2013年05月 (2)
  • 2013年04月 (2)
  • 2013年03月 (2)
  • 2013年02月 (3)
  • 2013年01月 (4)
  • 2012年12月 (3)
  • 2012年11月 (3)
  • 2012年10月 (1)
  • 2012年09月 (1)
  • 2012年08月 (2)
  • 2012年07月 (2)
  • 2012年06月 (1)
  • 2012年05月 (1)
  • 2012年04月 (2)
  • 2012年03月 (2)
  • 2012年02月 (2)
  • 2012年01月 (2)
  • 2011年12月 (2)
  • 2011年11月 (2)
  • 2011年10月 (1)
  • 2011年09月 (1)
  • 2011年08月 (2)
  • 2011年07月 (1)
  • 2011年05月 (2)
  • 2011年04月 (2)
  • 2011年03月 (3)
  • 2011年02月 (2)
  • 2011年01月 (2)
  • 2010年12月 (3)
  • 2010年11月 (4)
  • 2010年10月 (5)
  • 2010年09月 (4)
  • 2010年08月 (2)
  • 2010年07月 (1)
  • 2010年06月 (1)
  • 2010年04月 (1)
  • 2010年02月 (1)
  • 2010年01月 (1)
  • 2009年11月 (2)
  • 2009年10月 (3)
  • 2009年08月 (2)
  • 2009年07月 (2)
  • 2009年04月 (1)
  • 2009年03月 (2)
  • 2009年01月 (1)
  • 2008年11月 (1)
  • 2008年10月 (1)
  • 2008年09月 (1)
  • 2008年08月 (1)
  • 2008年06月 (3)
  • 2008年05月 (2)
  • 2008年04月 (2)
  • 2007年12月 (2)
  • 2007年11月 (1)
  • 2007年10月 (1)
  • 2007年08月 (2)
  • 2007年07月 (1)
  • 2007年06月 (1)
  • 2007年01月 (2)
  • 2006年12月 (1)
  • 2006年11月 (2)
  • 2006年09月 (2)
  • 2006年08月 (2)
  • 2006年07月 (2)
  • 2006年06月 (1)
  • 2006年05月 (1)
  • CATEGORY

  • 未分類 (125)
  • LINKS

    CALENDER

    10 | 2011/11 | 12
    S M T W T F S
    - - 1 2 3 4 5
    6 7 8 9 10 11 12
    13 14 15 16 17 18 19
    20 21 22 23 24 25 26
    27 28 29 30 - - -

    INFOMATION

    永峰 潤

  • 永峰 潤
  • 公認会計士・税理士
  • 管理者ページ
  • RSS