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永峰潤ブログ
永峰・三島会計事務所、かなり不定期な所長のブログ。

会計業界の「産業突然死」2

(前回の続き)

我が国の会計業界を従業員規模でみた場合、大きく3つのグループに分けられます。以下、長くなりますが、各々を説明します。

1つ目はBIG4とよばれる世界の会計士業界のカルテル的存在のグループです。 BIG4とはKPMG、Deloitte、Ernst Young(EY)およびPricewaterhouse Coopers (PWC)を指し、我が国でも、ローカルの監査法人と業務もしくは資本提携関係を締結しています。
カネボウ粉飾事件に関連してPWCの日本側提携事務所が解散したため、現在のPWCのプレゼンスは他3つの監査法人に比べ著しく遜色しており、我が国特有の事情として3大監査法人と呼ばれています。

3大監査法人は各々が従業員数3000名以上、売上高800億円~1000億円程度、3つの監査法人で東証一部上場企業の監査業務を寡占し、1社あたり700億円近い監査報酬をあげ、これに付随して税務・コンサルティング業務などを行っています。人的交流を含め欧米の本部によるブランディング戦略のもとで、ローカル色を重視するも統一的な戦略を進めています。ただし、近年の日本経済の長期縮小傾向の波を受け激減したIPO、リーマンショック以降の金融機関向けコンサルティングの落ち込み等から、監査での売上増加は難しい傾向にあります。新規の監査関与先の獲得も見込まれないため、新規事業分野の開拓(例えばIFRSコンサルティング)に意欲的であり、成熟市場となった会計業務の中で製品差別化も難しいため、下流戦略にも力を入れており、高いブランド力を武器とし、低価格で中小会計事務所の税務・会計クライアントを獲得することも始めています。

2つ目の中小規模グループに属する会計事務所の分布はかなり広く、従業員数50名から500名程度、売上高も5億円から50億円程度と広く分布しています。そのうち500名程度の従業員数を抱える独立系巨大会計事務所は全国に2,3社しかなく、いわゆる2σに入るのは従業員数50名から100名程度の事務所であり、その総数も50社以下と推測されます。

これらの事務所は監査業務をメインとするか会計・税務業務をメインとするかに2分されますが、実際には監査と会計・税務を同一グループの別法人(業法の関係から、監査と会計・税務は別法人にする必要がある)で行うことが通常です。これらの事務所の国際業務についてみると、大多数の事務所は国際業務対応という看板は掲げるものの実際に国際業務に対応できる事務所数は10社以下であり、それ以外の事務所は国内業務に終始しています。 国際業務に対応可能としている事務所の特色は、資本提携・業務提携・アフィリエーション・完全パートナーシップ等の形態を通じグループ総売上高でBIG4に大きく劣後するいずれかの国際的会計事務所ネットワークに属している特色を見てとれます。

3つ目は会計士、税理士が1名もしくは複数名程度の事業主として、多くても20名程度の従業員を雇用し、地域の中小企業や個人事業主に対して税務記帳業務を提供する小規模会計事務所のグループです。このセグメントに属する会計士・税理士はクライアントである中小企業の倒産数の増加と会計士・税理士の過剰供給のため、年々、顧問報酬が低下する傾向にあります。 税理士7万人、会計士2万5千人のマジョリティを占めるのがこのグループです。

ITの進展により従来の記帳代行業務は、我が国でも勘定奉行、PCA会計等の会計ソフトの普及によりクライアントが自分で記帳する、いわゆる「自計化」が一般化し、このセグメントに属する会計士・税理士の収入機会の太宗が奪われることとなっており、事務所間での低価格競争は激化する傾向にあります。

次回に、会計士の「産業突然死」について説明します。
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【2012/03/26 10:05】 未分類 | トラックバック(0) |

会計業界の「産業突然死」1

皆さんは「産業突然死」という言葉をお聞きになったことはありますか?
私の理解では、この言葉は大前研一氏がよくつかわれているものです。

その含意は、ある産業や職業が昨今の産業構造や社会構造の変化により、それこそ突然なくなってしまうと云うものです。

例えば、かつて一世を風靡したニンテンドーやSONYプレステは、GREEやDeNAがリーダーとなっているスマホゲームによって、以前のにぎわいは急速になくなってしまいました。 新聞業界も、いまは広告収入が激減しネット上での只の情報に太刀打ちできなくなっています。アメリカでは昨今、何社もの新聞社が破産の憂き目にあっており、わが国でも黒字の大手新聞はもはや読売だけです。

このように、我々の周りには「産業突然死」を迎える可能性のある職業が沢山あると思います。

で、私が属している会計業界、この業界も産業突然死を迎える可能性が非常に高いと思っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

職業的会計専門家は税理士(約7万人)と公認会計士(約2万4千人)の二つがあります。上場企業の監査は会計士、税務に関する全ての相談・申告業務は税理士が独占しています。 会計士が必ずしも税務に詳しいわけではないのですが、現状では会計士は税理士会に登録申請すると税理士として税務業務をすることが可能です。

我が国の会計業界は大きく3つにわけることができます。

それはBIG4のグループ、中堅会計事務所のグループ、圧倒的多数である個人税理士事務所のグループです。

その3つの内容、そして、何故「産業突然死」の可能性があるのかは次回以降に書いていきます。

(この項つづく)

【2012/03/06 10:23】 未分類 | トラックバック(0) |

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