第2回
スタンフォード大学のファイナンス講義について
スタンフォード大学のファイナンス講義の概略は以下のようでした。正式名称はFinancial Management Program(FMP)といい、毎年MBA学生の夏期休暇中にMBAコースでファイナンスを担当している教授陣がそのダイジェスト版を社会人、主としてCFOをターゲットにほぼ一週間にわたり講義するというのがウリです。昨年度は7月10日から15日にかけて実施されました。
受講生に配られたリストによれば、受講生の総数は36名。職種は一般事業会社が7割程度、残りが金融機関関係。年齢層は30代後半から50代前半(筆者は48歳)が全体の9割近く。職場でのタイトルはCFO、コントローラー(我が国の経理部長もしくは課長に該当)、ならびにCEOが大部分。米国以外の国ではナイジェリアから2名、カナダ1名、パナマ1名、インド1名、ドイツ3名、メキシコ1名、ノルウェー1名、香港1名、スイス3名、デンマーク1名、アルゼンチン1名、ペルー1名、そして日本からは私を含めて2名。男女比は男性30名、女性6名でした。
授業は朝8時から午後5時までの座学形式、1コマ80分の授業が午前中に3コマ、午後に2コマ行われます。夕食後も7時半から9時まで1グループ6名程度のスタディグループに分かれて、翌日の授業に関するディスカッションの課題が課されますので、正直この年齢ともなると結構ハードでした。
私は、先に述べたように日頃から英語に接する機会は多い方ですが、それでも出席するに際しては、帰国子女でもないため(大学院の年齢で米国に留学しても、残念ながらさほど英語は上達しないというのが20年前留学した後の感想であり、これは当時の15名程度の日本人クラスメートを見てもあながち間違っていないと思っています。 小机君、同意してくれるよね?)、久方ぶりの英語の授業についていけるかそれなりに悩みました。
しかし、そこは馬齢を重ねるにつれて世のおじさん並の図々しさを身に付けてきたので、最後はまぁ何とかなるだろうと半ば開き直りの心境で申し込んだ次第です。その後、大学から分厚い資料(A4サイズで20センチ厚位のシラバス)が届き、出席前に読んでおけと書いてあったので、仕事返上で予習したのですが、万全とはとても言い難い状況で、兎にも角にも日本を後にしました。
ここで簡単にスタンフォード大学のことをご紹介しますと、カリフォルニア州パロアルト市(サンフランシスコから車で約1時間)に1891年(明治 年)に設立された米国西部で有名な総合大学です。正式名称はLeland Stanford Junior Universityといい、そもそもの設立理由は当時の鉄道財閥であったスタンフォード氏がその子息の死を悼んでとのこと。最近ではグーグル等のIT関連企業の出身者が多いことでも有名です。MBAについても東のハーバード、西のスタンフォードと言われ、文字通り米国で最も質の高い高等教育機関のひとつに数えられています。
スタンフォードを始めとして、米国ではビジネススクールが社会人向けファイナンスコースを年間を通じて頻繁に行っており、ハーバード、ウォートン、シカゴ、ノースウエスタン等々、著名なビジネススクールはMBA学生の夏休み中に大体1週間程度の社会人向けファイナンス理論のコースを主催しています。内容・講義形式は類似しているものと思われ、費用は講義、宿泊料、3食付きでUS7000ドル〜8000ドル程度が標準的な価格設定のようです。
スタンフォードの場合、食事は大変においしい! 私は米国の食事、とりわけ、その質に関してはかねてより強い疑念を抱く者でありますが、本当においしかったです。ワインやビールも飲み放題ですが、夜のスタディグループもあり、痛飲する剛の者はさすがにいませんでした。国際電話も掛け放題で、そこいらへんの鷹揚さはさすがに料金を取るだけのことはあると思いました。
次回は授業についてご説明します。
